世界中で新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るっています。ドイツでもこの数週間、医療関係者は厳しい戦いを強いられてきました。
TIB(ドイツ国立科学技術図書館)はこれに打ち勝つため、ドイツ国内で公衆衛生サービスの第一線に立つ医学生を対象にした、オープンに利用できる学習システムの開発を急いできました。
2020年4月9日、TIBはその最初の成果である教科書 “Krisenmanagement” (危機管理)を、 Vivliostyle を使って完成させたことを発表しました。プレスリリースは下記から読むことができます。
私達が、TIBのスタッフである Simon Worthington 氏からSlackで質問を受けたのは、3月26日のことでした。そこから数日間、私達はWorthington 氏と技術上のやりとりをしました。
制作を担当したTIBの Lambert Heller 氏は4月8日、
自身のTwitterへの投稿で、このプロジェクトで使った Vivliostyle や
Fidus Writer、
Hypothesis、GitHubなどのツールを挙げた上で、「これらがなければ、100人もの著者がいる本を迅速に制作するWebベースでのワークフローを構築するのはほとんど不可能でした」と述べています。
冒頭のプレスリリースは4月9日のものですが、GitHubのリポジトリを見ると4月3日には完成したようです。本書が一刻も早い刊行を急いでいたことを考えれば、Vivliostyle が彼等の期待に見事に応えられたことを誇りに思っています。
Worthington 氏によれば、TIBは本書を皮切りとして次々に本の刊行を続ける予定であり、とりわけ重要な一冊は「接触者追跡 (contact tracing)」に関するもので、ドイツのシステムがどのように機能するのかを詳細に説明し、より多くの医療従事者が迅速に処置を行えるように活用される予定だとのことです。
私達としては、これからも可能な限り彼等へのサポートを続けていくつもりです。また、もしも Vivliostyle を新型コロナウイルスへの対応で利用したい方がいれば、どんなことでも
私達にご質問ください。
日々、辛い状況が続きますが、皆で力を合わせて COVID-19 を撃退しましょう!
本件へのお問い合わせは、
小形克宏までお願いします。また、弊団体については
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