Vivliostyleの解説本が発売!

Web技術で本が作れるCSS組版Vivliostyle入門カバー

「CSS組版でここまでできる!」実践的な入門書

Vivliostyleを解説した初めての書籍『Web技術で本が作れる CSS組版Vivliostyle入門』が商業出版されました(電子書店へのリンクは文末にあります)。著者はITに強い編集プロダクション、リブロワークスの大津雄一郎さん。大津さんには、これまで何回も私達のイベント「Vivliostyle ユーザーと開発者の集い」に登壇していただきました。

なかでも商業出版『そろそろ常識?マンガでわかる「正規表現」』の制作を見ていただくとよく分かるのですが、「CSS組版でここまでできる!」ということをやってのけるのが大津さんです。商業出版本のページデザインをCSS組版で実現してきた達人による解説本ですから、実践テクニックを学ぶのに最適です。まず目次を見てみましょう。

  • 1章 VivliostyleとCSS組版
    • 1節 CSS組版ってどんなもの?
    • 2節 Vivliostyleってどんなもの?
    • 3節 Vivliostyleを導入する
  • 2章 CSS組版ハンズオン
    • 1節 大まかな紙面を設計する
    • 2節 フォントを設定する
    • 3節 見出しのスタイルと改ページ調整
    • 4節 紙面上の要素を細かく調整する
    • 5節 PDFを書き出す
  • 3章 MarkdownとVFM
    • 1節 Markdownは難しくない!
    • 2節 Markdownの書き方
    • 3節 HTMLや数式を混ぜて書く
    • 4節 知っておくと便利な原稿執筆Tips
  • 4章 Vivliostyle CLI
    • 1節 複数のファイルを連結する
    • 2節 Vivliostyle CLIのさまざまな機能
  • 5章 CSS組版テクニック集
    • 1節 まずはここから! 必須の基本技
    • 2節 難易度中! ちょっと高度なテクニック
    • 3節 難易度高め! いろいろ組み合わせた複合技
  • 6章 入稿データを作る
    • 1節 印刷のための最低限の基礎知識
    • 2節 Vivliostyleのみを利用した入稿
    • 3節 DTPソフトを組み合わせた入稿
  • 7章 Vivliostyle Pub
    • 1節 Vivliostyle Pubの概要

最初に1章でCSS組版やそれを実現するVivliostyleについて概説した後、2章でCSS組版用のCSS、そして第3章ではVivliostyleのMarkdown(Vivliostyle Flavored Markdown)を実際に書いていきます。つまりここまでを読み進めていけば、手取り足取りMarkdownとCSS組版による本作りを教えてもらえるのです。

CSS組版ならではの実践テクニックを惜しげもなく公開

しかし、本書の真骨頂と言えるのは、やはりCSS組版の達人の本領が発揮される第5章、第6章でしょう。CSS組版でここまでできるのかということに感動の連続です。

  • 入れ子の見出し番号、ぶら下げインデント、行取りで配置
  • 辞書などで使われるツメ(サイドインデックス)を章ごとにずらして配置
  • 伸縮自在の画像コラム枠を生成
  • インラインSVG画像をページ内の任意の座標に配置
  • CSS Gridを使った奥付の組み方
  • 任意の場所・スペースに会話文の吹き出しを生成
  • 凝ったデザインの目次を生成する
  • 背景などを裁ち落とし領域にはみ出させる
  • 後注、脚注、側注の生成

キリがないのでこの辺にしておきますが、こうしたCSS組版ならではのテクニックを惜しげもなく公開しているのが、本書の最大の魅力と言えます。

なお、来たる5月28日に開催予定「Vivliostyle ユーザーと開発者の集い 2023春」では、大津さんが本書の宣伝を兼ねてCSS組版テクニックを公開していただく予定ですので、どうかご参加ください。また、リブロワークスの下記ページで本書の紹介やサンプルページが公開されています。

本書は下記をはじめとした電子書店などで発売中です。ぜひお買い求めください!

(2023年5月16日:文末リンクを紙版と電子版に分載するよう修正)