NLnetからの助成金を獲得
はじめに
2024年11月、私たちはNLnet財団(以下、同財団)による助成金「NGI0コモンズ基金」に応募することにしました。同財団はオープンな情報社会の実現に貢献する組織や個人を支援する、オランダを拠点とする公益団体です。約半年の審査をへて2025年6月、とても幸運なことに私たちは採択通知を受け取ることができました。
今回の助成が意味すること
同財団の助成により、私たちは以下のような作業に集中することができます。
- Vivliostyle.js
- 最新のCSS仕様のサポート
- ページと段の区切り処理の改善
- 脚注処理の改善
- Vivliostyle Pub
- エディターでの簡易WYSIWYG表示
- テーマの編集
- Vivliostyle CLI 他
- Chromium 以外のブラウザへの対応
- 組版サンプルとテーマの充実
- ドキュメントの改善と充実
NLnet財団とNGI0コモンズ基金
1982年、オランダ、デンマーク、スウェーデン、イギリスのネットワークを相互接続するヨーロッパ初の通信網、EUnet(European Unix Network)が開設されました。このうちオランダ部分のネットワークを「NLnet」と呼びました。その後NLnetの管理は、オランダのUNIXユーザーグループNLUUG(Netherlands UNIX User Group)が担うことになります。
1989年、NLUUGは非営利のNLnet財団を設立し、さらに1994年、同財団は爆発的とも言えるインターネット網の拡大を背景に、インターネットサービスとバックボーンの提供に特化した商業インターネットプロバイダーNLnet Holding BVを設立し、同社は順調に業績を伸ばしていきます。
この後、1997年にNLnet Holding BVはUUNET(米国ワールドコムの子会社)に売却されて同財団の手を離れます。これ以降、同財団はオープンソースソフトウェアの普及やインターネットユーザーのプライバシーやセキュリティを支援する公益団体として精力的な活動をつづけています。
一方、NGI0コモンズ基金は欧州委員会の次世代インターネット・イニシアチブの一環として設立された助成金プログラムです。この基金の目的は、インターネットの公共性、プライバシー、セキュリティを向上させるためのオープンソース技術プロジェクトの支援であり、その運営と資金配分を担当しているのが同財団です。
このように、黎明期からインターネット及びオープンソースをサポートしてきた同財団、そして欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会が出資するNGI0コモンズ基金から助成を得たことを、私たちはとても名誉に感じています。
私たちは、これまで以上にインターネット標準やオープンソースコミュニティに寄与していかなければならない、そのように決意を新たにしているところです。どうかこれからもVivliostyleの活動を見守ってください。